中古自動車査定士という資格をご存知ですか?~査定のプロの証

車の査定をする男性あまり一般の方にはなじみがないかも知れませんが、中古自動車査定士という資格があります。

これは一般財団法人日本自動車査定協会が実施する「中古自動車査定士技能検定」に合格した人に与えられる資格となります。

公正な車査定を行うためには、業界の統一基準にのっとって正しい査定を行うことが求められます。

車の査定をする人の主観によって、買取り金額が大幅に変わってしまうようなことがあっては、相場の公平性が保てません。

そこで、日本自動車査定協会が定める統一基準にのっとった正しい査定を行うことができる人に、中古自動車査定士という資格を与えてその人の実力を証明することにしたわけです。

それでは中古自動車査定士がどういった資格なのかについて、具体的にみていくことにしましょう。

参考記事:日本自動車査定協会(JAAI)とは何をする団体なのでしょうか?

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中古車自動車査定士とはどんな資格なのか

「中古自動車査定士」を取得するためには、日本自動車査定協会によって年に2回行われている「中古自動車査定士技能検定」に合格しなければなりません。

資格といっても国家試験ではなく、あくまでも日本自動車査定協会が実施する民間資格ということになります。

そういった意味では「英検」や「漢検」といった資格に似ているといえるでしょう。

この資格は小型車査定士と大型車査定士の2種類あり、受験のためにはそれぞれの資格ごとに普通自動車運転免許と大型第一種運転免許を所有していなければなりません。

また、半年以上の車の販売か整備の実務経験がないと、受験をすることができないとされています。

これらの受験資格は、車関係の仕事をされている方にとってはそれほど高いハードルではないでしょう。

講習を受けるただ、受験資格のある人が無条件で試験を受けることができるかというとそうではなく、日本自動車査定協会が実施している3日間にわたる講習を事前に受講しておかなくてはなりません。

つまり、「中古自動車査定士」の受験資格は、普通自動車か大型車の運転免許所有者で、車の販売か整備の経験が半年以上あり、なおかつ協会の行う3日間の講習を修了したものということになります。

そのうえで学科試験と実技試験の両方に合格したものが、晴れて「中古自動車査定士」となることができるわけです。

どのような試験内容なのでしょうか?

「中古自動車査定士技能検定」の学科試験の内容ですが、以下の項目に従って出題されることになっています。

1.中古自動車査定制度

2.中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準

3.自動車の構造、機能及び取扱い

4.保安基準、その他自動車に関する法規

5.その他査定に関する事項

3日間にわたる講習をしっかりと受けていれば、問題なく解答できるレベルの出題がされるようですので、特に長期間にわたって受験勉強をする必要はないようです。

学科試験が終わったあとに実技試験が行われますが、これは模擬的に車の査定を実施する試験となります。

こちらも講習でしっかりと学んでおけば問題なくクリアー出来るレベルといっていいでしょう。

「中古自動車査定士技能検定」の合格率は85%程度といわれていますので、よほどのことがない限りは合格できると思っていいでしょう。

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受験の手続きと必要書類

「中古自動車査定士技能検定」は6月と12月の年に2回実施されます。

ただし、大型車査定士試験は、6月の1回のみとなります。

受験の申請受付期間は、6月の前期試験が4月初旬から下旬、9月の後期試験が9月中旬~10月中旬となっています。
免許証と写真のイラスト
申請に当たって用意すべきものは、「技能検定申請書」「顔写真2枚」「運転免許証の写しor提示」「事業主の証明のある経歴証明書」の4つになります。

この他に、整備士有資格者の場合には、整備士の合格証書か技能者手帳の写しの提出または提示が求められます。

また、すでに小型査定士か大型査定士を持っている人がもう一つの方を受験する場合には、すでに持っている資格の写しの提出または提示が必要になります。

受験の受け付けは、日本自動車査定協会の近くの支所にて行っていますので、必要書類などがそろっているかどうかを確認したうえで申し込むようにしましょう。

受験費用ですが、整備士を持っている方は16,470円、整備士を持っていない受験者は17,280円となっています。

これらの受験費用には、受験料の他に教材費や3日間の講習受講料も含まれています。

資格がなくても査定をすることは可能だが

あなたが車を売ろうと思って買取り店に行ったとき、車の査定をしてくれる担当者のかたは中古自動車査定士を持っているのでしょうか?

残念ながら、答えは「No」です。

中古自動車査定士はあくまで民間資格となりますので、車の査定を行うものが必ず所有をしていなければならないという法的な義務はないのです。

あくまで、車の査定業務を行う人であれば所有していることが望ましいとされる資格なわけです。

そのため、日常的に車の査定業務を行っている人の中にも、資格を持たないで行っている人も決して少なくないといわれます。

しかし、しっかりとした会社であれば、社員のレベルアップや会社の信頼度アップのために資格の取得を奨励するはずです。

会社がしっかりとバックアップさえすれば、合格率85%の資格なので、取得ができないということはありません。

そういった意味では、違法ではないとはいえ資格を持たないものに査定の業務をさせているということは、会社の怠慢といわれても仕方のないところでしょう。

実際、全国には15万人以上の中古自動車査定士がいるといわれていますので、資格を持たずに査定業務を行っている人は、今後はどんどん肩身が狭くなっていくに違いありません。

中古自動車査定士技能検定の公式サイト
http://www.jaai.or.jp/ginoukentei.html

文・山沢 達也

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