車買取業者の再査定(二重査定)でトラブルにならないために気をつけること

電卓で計算する車を少しでも高く売るために、簡単に複数の業者を比較できる一括査定が人気になっていますが、業者から出てくる査定額をそのまま鵜呑みにするとあとでトラブルになることがあります。

それは、再査定といわれるもので、出してもらった買取り額を後になってさまざまな理由をつけてひっくり返してしまうというものです。

業者はその車を買取りしたいと思えば、なんとしてもライバルに勝つために高い買取り価格を提示しようとします。

その価格で実際に買い取ってくれるならば何の問題もありません。

しかし、再査定や二重査定と呼ばれる後出しジャンケンのようなことを業者が行う悪質な業者も中にはいるのです。

再査定大幅マイナスになる業者の言い分

この再査定というのは、いわゆる悪徳な買取り店だけが行うことではなく、実際には大手の有名な買取り店なども行うことも多いのです。

ただ、大手の買取り業者が行う再査定は、正当な理由のある場合がほとんどです。

問題になるのは、正当な理由なく意図的に再査定で金額を下げてくる悪質業者のやり方です。

最初の査定で見落とした部分を、再査定で正当にマイナスされるのならばまだ納得できないこともありませんが、悪徳業者になると明らかに「難癖」と思われるような事故歴をでっち上げて大幅に買取り額を下げてくることがあるのです。

しかも、すでに契約を済ませてしまったあとにそういうことをしてきますので、かなり悪質といえるでしょう。

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法的には根拠のある再査定という制度

買取り業者が再査定を行う際の法的根拠は、民法の瑕疵担保責任にあります。

参考:民法570条-瑕疵担保責任

これは、出張査定などで車をチェックしただけではなかなか見つからないような、重大な修理歴や不具合などがあとから見つかった場合に適用されることになります。

実際に出張査定などで車をチェックする際には、年式や走行距離などのデータに加えて、キズや内装の傷み具合などを考慮して減点法で算出します。

現場でざっと見て査定しただけでは、事故歴や重大な不具合を見逃してしまうこともあるわけです。

オーナー自身が事故歴を知らないケース

事故歴なども、新車で購入したのであればオーナーが一番よく分かっていますので、自分に記憶がない限りは絶対に事故車であるはずがありません。

しかし、中古で購入した車の場合などは事故歴のある車であることをオーナー自身が知らずに購入してしまっていた可能性もあります。

オーナーもそれまでずっと事故歴のある車だということを知らずに乗っていたわけですから、当然ながら査定の際にそのことを申告はしません。

出張査定で気がつかずに、オーナーからの申告もないとなると、事故車ではないとの判断で査定額を算出することになります。

しかし、業者が買い取った車を自社の工場で整備をしているときに、事故車であったり重大な欠陥のある車であることに気がつくことがあるのです。

そういったときに行われるのが、再査定ということになります。

ボディの小さなキズ程度で再査定になることはないが

車のボディのキズボディの小さな傷があとで見つかったくらいでは、再査定となることはまずないと思っていいでしょう。

そもそもそういった小さな傷を見つけられなかったのは、出張査定をした人間の単純な見落としが原因ですし、それを修理したからといって買取り店に大きな負担とはなりません。

ところが、事故車となればそうはいきません。

事故車の場合、相場的に査定がゼロということもあるわけですから、うっかり普通の相場で買い取ってしまったら業者としても死活問題ということになります。

ですので、再査定というとどうしても業者が悪者のように思われますが、必ずしもそうとは限らないわけです。

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オーナーの盲点をついてくる悪徳業者

このように、民法の瑕疵担保責任に基づく再査定は法的には全く問題ないということになるのですが、一部の悪徳業者がこの制度を利用して悪事を働くことになるわけです。

先ほども書きましたように、中古で車を購入したオーナーは、自分の車が事故車であるかどうかを判断できません。

たまたまその車を買った中古店が悪徳業者で、事故車であることを隠して買わされてしまった可能性もあるからです。

そこの部分の盲点を利用して、悪事を働く買取り業者が中にはいるわけです。

「うちの整備工場でお車を調べさせてもらいましたところ、事故歴があることが判明しましたので、査定額が30万円ほどマイナスになります」

などと言ってくるわけです。

複数の買取り店を比較して、一番高く買い取ってくれるところと契約した本人にしてみれば、まさに寝耳に水であり、目の前が真っ暗になることでしょう。

もしそれが本当であれば、自分がその車を購入した時に販売店に騙されていたということになるので、それはそれで仕方のない部分もあるのですが、問題なのは買取り業者がウソをいっている場合です。

オーナーが事故車でないことを証明できないのをいいことに、瑕疵担保責任を根拠に大幅な再査定をしてくるわけです。

本当に残念なことに、世の中にはこのような卑劣な買取り業者もいるわけです。

悪徳業者による再査定から身を守るために

それでは、私たちがそのような悪質な買取り業者の再査定によって不当に車を安く買いたたかれないためにはどうしたらいいのでしょうか?

自己防衛のために出来る、いくつかの方法について書いてみたいと思います。

何を根拠に事故車であると主張しているかを納得いくまで聞く

車について話をする男性車の売った本人が、前のオーナーの事故歴を知る由もないことをいいことに、業者は事故車であること主張してくるわけです。

もしそういわれた場合、その言葉を妄信するのではなく、具体的に何を根拠にそう主張しているのかを納得いくまで聞くことが大切です。

本当に事故車であればフレームのゆがみなど、何らかの痕跡があるはずです。

相手はこちらが素人だと思って適当な説明をしてくる可能性もありますが、車に詳しい人を一緒に連れて行くなどして業者の言い分が本当かどうかを見極めるようにしましょう。

どうしても話が平行線となるようであれば、車の修復歴の確認を財団法人日本自動車査定協会に依頼してみるといいでしょう。

この団体は、有料ではありますが公正な立場から車の状態を確認して証明してくれます。

関連記事:日本自動車査定協会(JAAI)とは何をする団体なのでしょうか?

再査定を禁止している買取り業者に依頼する

買取り業者には、再査定そのものを禁止しているところもあります。

JADRI(日本自動車流通研究所)という、中古車業界をユーザーの立場に立って監視してくれる団体があるのですが、このJADRIに登録をしている買取り業者の場合、基本的に再査定は禁止事項となっています。

万が一あとになって、車に事故歴や重大な欠陥が見つかったとしても、契約のときに確認した査定額で車を買い取らなければならないのです。

業者にとってはリスクのあることですが、車を買い取ってもらうユーザーにしてみれば再査定の心配がないということになれば、本当に安心できます。

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