査定のプロがチェックする中古車のコンディションとは?

女性とボンネットを開けた車車の査定に大きく影響をするのは、年式や走行距離などですが、実はこまかなコンディションに関しても厳しくチェックされます。

年式や走行距離などの条件が同じ車でも、日頃の乗り方やメンテナンスによってコンディションは大きく変わってくるものです。

ここでは、車査定のプロフェッショナルが、中古車のコンディションを判断するときにどういった部分をチェックするのかについて具体的にみていきましょう。

参考記事:車を売る直前にできる査定アップのための小ワザを紹介します

1. 査定に影響する電装系のコンディション

車というのは、ある意味電気機器といってもいいほどあらゆる電装品が装着されています。

そして、意外にもトラブルを起こしやすいのもこうした電装品です。

ここでは、それぞれの電装品別にどのようにコンディションをチェックされるのかについてみていきましょう。

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1-1. ウィンカーやハザードランプの状態

ウィンカーやハザードランプに不具合があると事故に直結します。

しかし、自分が運転をしていると直接確認することが出来ないために、不具合があってもなかなか気が付かないものです。

自分ではまったく問題ないと思っていたのに、車検や査定の時に指摘されて初めて気が付いたという人も少なくありません。

実際のチェックでは、これらが実際に点灯するかどうかだけでなく、ハンドルとの連動などもチェックされます。

ウィンカーは、ハンドルを戻すと自動で復帰する仕組みになっていますが、内部の部品が消耗していたりすると、戻らなくなったりすることがあります。

また、走行距離が少ないのにこれらの動作に異常があったりすると、メーター改ざんを疑われたりすることもありますので、注意が必要です。

1-2. エアコンの不具合は大きなマイナスポイント

エアコンに手をかざす電装系のチェック項目の中でも、エアコンの効き具合は大きなポイントとなります。

買取りや下取りをする側にしてみれば、査定のときにエアコンが壊れているのに気が付かずに車を引き取ってしまった場合、その修理代で利益が吹っ飛ぶ可能性があるからです。

カーエアコンの修理は高額となることが多いために、もし不具合があったりするとかなりのマイナス査定となることは覚悟しておかなければなりません。

1-3. パワーウィンドウや集中ドアロックのチェック

最近の車は、パワーウィンドウや集中ドアロックが装備されているのが当たり前になっています。

査定においては、これらもきちんと作動するかどうかをチェックされます。

ウィンドウもただ単に開閉できればいいだけではなく、開け閉めの際のスピードなどに問題がないかも調査されます。

もし、スムーズに動かないようであれば、マイナス評価となります。

1-4. パワーステアリングがスムーズに動くかどうか

ハンドルを握るかつての車はパワーステアリングが装備されていませんでしたので、切り返しのときなどにはかなり重いハンドル操作を強いられました。

最近の車はほぼ例外なくパワーステアリングがついていますので、ハンドルの重さを意識することはまったくなくなりました。

このパワーステアリングには、電動式と油圧式があります。

自分の車がどちらなのかは、ボンネットをあけて油圧ポンプの有無などを確認しなければなりませんので、素人での判断は難しいと思います。

電装品としてのチェックの対象となるのは、電気式の場合です。

モーターなどに不具合があって、ハンドルがスムーズに切れなかったり、重かったりした場合にはマイナス査定となります。

1-5. カーオーディオやカーナビは正常に動作するか

カーオーディオやカーナビも、車の走行そのものには直接影響しませんが、重要な電装品の一つと言っていいでしょう。

最近では、オーディオとカーナビが一体となったものも多くなってきました。

車の中は、夏場になるとかなりの高温になりますので、こういった電子機器はとても壊れやすいものです。

特に5年以上乗った車の場合は、CDやMDのプレイヤーに問題がないか、音にひずみやノイズなどがないかといった部分をしっかりとチェックされます。

1-6. 電動ミラー・ワイパー・その他

リアウィンドウとワイパーワイパーの動作や電動ミラーの動きがスムーズにいくかといったことも、当然チェックされます。

ハッチバックやミニバンですと、フロントだけではなくリアにもワイパーがあります。

普段あまり使うことはないかと思いますが、使っていなくても壊れるときには壊れるものです。

また、ワイパーそのものの動作だけでなく、洗浄液がしっかりと出るかどうかもチェックポイントとなります。

電動ミラーも、格納のための動作だけではなく、左右上下の位置調整も確実に出来るかといったことも重要になります。

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2. エンジンルームのここがチェックされる

車のエンジンルームには、さまざまなパーツがぎっしりと詰まっています。

ということは、査定にあたっても車のコンディションを知るための重要な場所ということが出来ます。

具体的には、エンジンルームのどういったところがチェックされるのでしょうか?

2-1. オイルのにじみがあるかどうか?

車も古くなってくると、エンジンのパッキン類の劣化などによりオイルがにじみでてきたりします。

特に、エンジンの下回りにオイル漏れがある車は要注意と判断されます。

軽度のものであればそれほど問題ありませんが、あまりにもにじみが多いようだと、なんらかのトラブルを疑われます。

また、走行距離の割にオイルのにじみがひどいということになれば、メーター改ざんなどの疑いをもたれる可能性もあります。

にじみのひどい車だと、エンジンルームの外までオイルが焼けたようなニオイがすることがありますので、ボンネットを開けなくても異変に気が付くことがあります。

2-2. バッテリーの劣化具合

バッテリーは消耗品ですので、年月とともに徐々に性能が落ちてきます。

しかし、いざ買うとなるとけっこういい値段がしますので、査定の際にはしっかりとチェックされます。

チェックするポイントとしては、バッテリーに記載されている製造年月日や端子の腐食具合などです。

バッテリーは当たり外れが多く、2年ほどでダメになってしまうものもあれば、5年以上も問題なく使えるものもあります。

製造年月日だけでは劣化具合を正確に判断することは出来ませんので、テスターを使って性能をチェックすることになります。

2-3. マメにオイル交換したかどうかもばれる?

オイル交換オイル交換は車のメンテナンスの基本とも呼ぶべきものですが、いざやろうとするとなかなか面倒だしお金もかかるので、サボりがちになってしまう人もいるようです。

そういったマメにオイル交換をしていたかサボり気味だったかという点も、査定のプロはしっかりと見抜きます。

オイル交換のときに新しいオイルを入れるときの注入口やオイルフィラーキャップの内側を見た時に、古いオイルのカスがこびりついていたりすると、要注意と判断されます。

こういったところにオイルのカスが付着しているということは、オイル交換をマメに行っていなかった可能性が高いと判断され、車のそのもののメンテナンス不足を疑われます。

2-4. エンジン音に異常がないかどうか確認

ボンネットを開けた状態でエンジンをかけて、変な音がなっていないかどうかチェックされます。

明らかに異常な音がしなければ問題ありません。

また、エンジンをかけた時に、アイドリング時のエンジン回転数が安定しているかどうかも確認のポイントなります。

アイドリングが不安定だと、エンジンンになんらかの問題があると判断される可能性があります。

このエンジンを始動してのチェックは、エアコンがオンの状態のときとオフの状態のときとでの違いもチェックされます。

2-5. ファンベルトやパワステベルトの劣化状況

ファンベルトやパワステベルトが劣化していないかどうかも、査定時におけるエンジンルーム内のチェックポイントの1つです。

ベルトの内側にひびなどが入っていたりしたら、かなり劣化が進んでいるということになります。

ベルトの劣化そのものでは大きなマイナス査定となることはありませんが、プロの査定士たちはこういった部分からもメーターの不正を見抜きます。

それほど距離数を走っていないのに、ベルトが著しく劣化しているということになれば、明らかに不自然であると判断するわけです。

3. 実際に車を試乗をして確認すること

車というのは、機械ですので実際に動かしてみないとその状態を正確には判断できません。

プロの査定士たちは、実際に車を走らせてみて、どういった点に着目するのでしょうか?

3-1. ギアやミッションのスムーズさを見る

ギアレバー最近ではマニュアルミッションの車はほとんど見かけなくなりましたが、マニュアル車の場合シフトフィーリングというのはけっこう重要な要素となります。

スムーズにギアが入らないような車だと、要注意な車と判断されます。

またマニュアル車の場合、クラッチに滑りがないかどうかもチェックのポイントです。

オートマ車の場合は、Dレンジに入れた時のショックや、実際に走行したときの変速のショックが大きい場合には、要注意な車ということになります。

特にオートマチックのミッション系にトラブルがあった場合、かなり高額な修理費用が発生することが予想されますので、査定の際には大きなマイナスポイントとなることでしょう。

3-2. とても大切な車の直進性能

車にとって、直進性能というのはとても大切です。

ハンドルをしっかり握っていないと、左右どちらかに車が流されてしまったり、ワダチなどでハンドルを大きく取られるような車は非常に危険です。

これらの原因の多くは、ホイールアライメントの狂いです。

ホイールアライメントには、トーイン・キャンバー・キャスターという3つの要因がありますが、ホイールやサスペンションになんらかの衝撃などが加わった時に、これらの角度が狂ってしまったりするわけです。

また、過去の事故などによりフレームに損傷を受けたような車の場合も、直進性性能に大きな支障が出ることが多いです。

査定時にこれらの不具合が容易に修理できないと判断されれば、大幅なマイナス評価を受けることを覚悟しなければなりません。

3-3. ある意味一番重要なブレーキの効き具合

ブレーキペダルを踏む車は、飛行機やヘリコプターとは違って、エンジンが壊れたとしても、それが直接事故につがなることはまずありません。

飛行機やヘリコプターは、エンジンが壊れるということは即墜落を意味します。

しかし、車の場合はエンジンが壊れたとしても、ただ車が走らないだけのことですから、致命的なことにはなりません。

せいぜい道路の中央で立ち往生してしまって、渋滞の原因を作る程度です。

しかし、ブレーキの場合はそうはいきません。

車のブレーキが壊れるということは、それはすなわち死を意味します。

もしあなたがそれなりのスピードで道路を走っていて、突然ブレーキが壊れたときのことを想像してみて下さい。

考えただけでゾッとすると思います。

そういった意味では、ブレーキというのは、車を走らせる上において一番重要なパーツだということが出来ると思います。

関連記事:車で一番大切なブレーキ性能になぜみんな注目しないのか?

当然、そのブレーキに不具合があるということであれば、査定以前の問題で、そのまま修理工場に持ち込むべきでしょう。

3-4. タイヤの減り具合から判断されること

車のタイヤというものは基本的に消耗品ですから、ある程度の距離を走れば減ってくるものですし、そのことが査定上で特に問題になることはありません。

プロの査定士が見るのは、タイヤの減り方です。

4本のタイヤが均一に減っていない場合には、ローテーションなどのメンテナンスを行っていなかったり、先に述べたようなホイールアライメントの狂いが原因だったりする場合があるからです。

また、明らかに異常な減り方をしている場合ですと、事故車である可能性も疑われます。

プロはこういったタイヤの減り方一つでからでも、車のコンディションや過去の事故歴までも見抜いてしまうわけですね。

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