中古のヴェルファイアが新車よりも高額で売れたウソのような話

白いヴェルファイア車というのは、新車登録をしたときからどんどん価値が下がっていきます。

それほど乗らなくても、年式が古くなっていけば売却時の査定額は低くなって当然です。

しかし、新車で購入したときの値段よりも、1年後の売却価格の方が高くなるというウソのような本当の話が実際にあったらしいのです。

それは俗に「ヴェルファイアバブル」と呼ばれているもので、500万円で購入した新車のヴェルファイアを1年乗ったあとに700万円で売れたというのです。

つまり、1年間乗り続けた車を売却して、200万円も儲かってしまうわけですから、笑いが止まりません。

いったいなぜそのようなことが起こったのでしょうか?

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アジアの富豪たちが高額で買う日本のクルマ

新車よりも中古車が高く売れるという信じられない背景には、5年~6年ほど前より、アジアの富豪たちの間で日本の高級ミニバンが非常に高い人気となっていたことがあげられます。

しかし、輸入車を新車で購入する際には、関税の壁というものがあります。

つまり、アジアの国々では自国の自動車産業を守るために、日本車に高い関税をかけているわけです。

それもハンパないくらいに高額な税金を課しているのです。

たとえば、タイではアルファードやヴェルファイアが1700万円程度します。
黒のヴェルファイア
また、ミャンマーで販売を開始されたランクルプラドの現地価格は、約1400万円です。

これは、日本国内で買う場合の約3倍の値段です。

ここまで極端ではありませんが、これは日本国内において輸入車を購入する場合にも似たようなことが起こっています。

たとえば日本国内で1400万円以上するベンツのSクラスが、ドイツでは870万円ほどで買えるのです。

こういった関税の壁というものがあるために、アジアの国々において日本車は超高級車ということになり、富豪たちが大金を払って購入するわけです。

それでもまだ新車で購入できればいいのですが、そもそも日本の新車販売を行っていないアジアの国も多いのです。

そういったことも、より一層日本車のプレミア感を高くしているのだと思います。

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1年以上乗ると輸出規制がゆるくなることが多い

アジアの国々にとって、性能のいい日本車を安価で大量に売られたのでは、自国の自動車産業が衰退してしまいます。

そのために高い関税をかけているわけですが、さらに一定数以上に日本の新車が入り込まないように輸入制限をかけていることが多いようなのです。

そして、その規制に引っかからなくなるのが1年以上乗った中古車だということになります。

その結果として、1年程度乗った日本の中古車、特に富豪たちに人気のヴェルファイアがターゲットになるわけです。

また、関税に関しても、多くの国では新車にくらべて低く設定されています。

そういったさまざま事情により、500万円で購入したヴェルファイアを買取り店がアジア輸出用として700万円で引き取っても、十分に利益が出るような仕組みになっているのでしょう。

実際に700万円で買取りされたヴェルファイアが、現地でどれくらいの販売価格になったのかは知りませんが、タイなどでは新車が1700万円もする車ですから、1年落ちであればかなりの金額で売却できたのではないかと想像できます。

ネット上から拾える驚きの高額な売却事例

ネットを見る夫婦500万円で購入したヴェルファイアを1年後に700万円で売却した事例を紹介しましたが、他にもネット上からさまざまな事例を拾うことができます。

新車価格350万円ほどのあまりグレードの高くないヴェルファイアを、47万円引きの303万円で購入して3年乗った人が、車検のタイミングで査定をしてもらったところ270万円の買取り価格を提示されてびっくりしたという事例があります。

さすがに200万円儲けた事例ほどのインパクトはありませんが、303万円で購入して3年乗った車が、270万円で買取りされるというのは常識的にはあり得ないことです。

次は少し古い事例ですが、2009年式で走行距離16500kmのヴェルファイア2.4Zを2年落ちとなる2011年に324万円で売却したという事例です。

この車の諸費用を含めた乗り出し価格は330万円くらいだったそうなので、目減り額はわずか6万円ということになります。

2年乗った車が、新車を購入するときに支払った金額のマイナス6万円で売れるわけですから、この事例もまさにヴェルファイアバブルを象徴していると思います。

こういったヴェルファイアの高額買取りオファーは海外輸出に強い買取り店だけでなく、ディーラーからもときどきあるようです。

平成21年3月に黒のヴェルファイア2.4Zをネッツトヨタで購入された方は、平成22年の7月にディーラーからほぼ新車販売価格で下取りをするので買い替えませんかというオファーをもらったようです。

あまりよく知らない買取り業者からこのような電話をもらったら、車の持ち逃げ詐欺ではないかと疑ってしまいそうですが、新車を購入したディーラーからいきなりこんな電話をもらったわけですから、この方もかなり驚かれたのではないかと思います。

バブルが起きていたのはヴェルファイアだけではない

白いランドクルーザーこれまでいくつか過去に起きたヴェルファイアバブルの事例を紹介しましたが、実はバブルが起きていたのはヴェルファイアだけではないようです。

トヨタのハリアーなども、つい最近まで1年落ちで新車よりも100万円近く高く売却できたという事例がいくらでもあったそうです。

また、ランドクルーザーなどもときどきバブルが起こる車種のようです。

いずれもトヨタ車になりますが、アジアの国々では「トヨタ車=高級車」というイメージが根付いてしまっているのかも知れません。

ただ、これらの買取りバブルが常に起こっているかというと、必ずしもそうではないようです。

これらの車種はもともとリセールバリューが高いことが特徴ですので、それなりに高額な買取り価格が期待できますが、1年乗った車が新車よりも高く売れるというようなバブルは、さまざまな要因が重なったときに起こるようです。

もしあなたが現在そういった車種に乗っているのであれば、ときどき一括査定サイトなどを利用してバブルが起きてないかを確認してみるといいでしょう。

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