違法改造車を買取りや下取りしてもらうことは可能でしょうか?~車検に通らないクルマを売却する方法

改造車とタイヤクルマを売却するときには、基本的にノーマルな状態で売るのが高額査定につながりやすいといえます。

カスタムカーと呼ばれる改造車に関しては、違法性がなければそういったクルマを専門にあつかう系列の店に持ち込めば、それなりの買取り価格を提示してくれることもあります。

しかし、問題となるのが違法改造車と呼ばれるクルマです。

違法改造車というのは、要するに保安基準に適合しないクルマですから、公道を走らせることはできませんし、車検にも通りません。

はたして、こういった違法改造車を売却する方法はあるのでしょうか?

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一般の買取り店が改造車を嫌う理由

カスタムカー専門のショップであればともかく、一般のクルマ買取り店ではたとえ合法であったとしても、改造車(カスタムカー)の買取りには消極的です。

実際に違法改造車を買取り専門店に持ち込んでみると分かりますが、積極的に買取りをしようとするお店はあまりないはずです。

ドレスアップ用のカスタムパーツというのは高額ですから、査定額も高くなるだろうと思う人もいるかも知れませんが、それは大きな間違いです。

改造車が高く売れないのには、明確な理由があるのです。

改造車はオートオークションでの相場のデータがない

買取り店の多くは、自分の店で引き取った車をオートオークション経由で流通させることになります。

そのため、オートオークションでの相場を参考にして、自分の店にしっかりと利益が残るような買取り価格を提示するわけです。

しかし、オートオークションの相場を知るためのデータには、改造車に関するデータがないのです。

そもそも改造車の絶対数が少ないために、データとして残すことが出来ないのでしょう。

そのため、改造車というのはオークション会場での落札価格が読めないクルマということになり、買取りにあたっては非常にリスクがあるということになります。

たとえどんなに高価なパーツが取り付けられていても、リスクのある車を積極的に買う気にはなれないはずです。

万人受けしないクルマは在庫になってしまうリスクがある

改造車というのは人によって好みやセンスの問題が大きく反映されることになります。

改造をした本人が最高にカッコイイ車だと思っていても、他人が見たら「ダサいクルマ」に思えるかも知れません。

ましてや、違法改造車となると車検に通りませんから、そんなクルマを積極的に買おうとする人などそうそういません。

買取り専門店が欲しいクルマというのは、あくまでも万人受けするクルマなのです。

万人受けしない改造車というのは、なかなか売れずに在庫になってしまう可能性が高くなります。

中古車の販売価格というのは、時間とともにどんどん低下してしまいますので、在庫になってしまうのは販売店としても困ります。

在庫になってしまうリスクがある改造車に対して、買取り専門店が高額な査定額を提示できないのは、ある意味では仕方のないことなのです。

違法改造車を買取りしてもらうにためには?

一般の買取り店の場合、改造車を積極的に買取りしたくない明確な理由があることがお分かりになったかと思います。

ましてや、車検に通らないことが予想される違法改造車となると、そのままの状態で売却することは困難ということになります。

しかし、違法改造車といっても、その改造の程度によっては大幅なマイナス評価を受けずに売却をすることも可能です。

もちろん、屋根を切り取ってしまってオープンカーにしてしまったなどの極端な違法改造車の売却は不可能ですが、ノーマルに戻すことのできる状態であれば問題なく売ることはできます。

参考記事:カスタムカーはマイナス査定になります~高く売るにはどうするか?

足回り系の違法改造車の場合

極端なローダウン(シャコタン)やフェンダーからタイヤがはみ出しているなどの足周り系の改造車の場合には、車検が通る状態にまで戻すことが出来れば売却が可能になります。

タイヤやサスペンションなどを交換することで、保安基準に適合する状態まで戻すことが出来ればいいわけです。

こういった車の場合には、あえて元に戻して査定を受けなくても、純正のパーツがあれば、それを一緒に持参することで問題なく買取りをしてもらえることが多いです。

もし純正のパーツがなくなってしまったとしても、買取り店の方で他のパーツに交換することで車検に通る状態にすることが出来ると判断すれば、買取りは可能となります。

もちろん、そういった交換用パーツの代金や修理工場での工賃の分は、査定額からマイナスされることになります。

そのため、年式が古かったり過走行だったりして、もともとの評価が低いクルマの場合は、査定額がマイナスになってしまう可能性はあります。

たとえば、ノーマルに戻した状態の査定額が50万円だとして、交換用パーツや修理工場での工賃が60万円かかる場合には、マイナス10万円ということになってしまいます。

さすがに、お金を払ってクルマを売る人はいないと思いますので、そういった場合には残念ながら廃車にするしかなくなってしまいます。

ちょっとしたパーツの交換で違法改造になっている場合

違法改造といっても、極端な改造をしているクルマばかりとは限りません。

要するに保安基準に適合していなくて、車検に通らなければ違法改造車ということになってしまうわけです。

たとえば、ステアリングを社外品に交換したとします。

サイズや仕様的には何の問題もなかったとしても、ホーンを鳴らすためのラッパーのマークがないだけで違法改造車となってしまうのです。

車のシフトまた、マニュアル車などでシフトノブを交換する人も多いのですが、シフトのポジションを示すマークがないと、これも保安基準に適合しないことになってしまいます。

これらはちょっとした改造なのですが、立派な保安基準不適合ということで違法改造になってしまうわけです。

こういった軽微な改造の場合も、ノーマルのパーツを保管していれば、査定のときにそれを一緒に持って行けば大丈夫です。

ノーマルに戻すための費用もそれほどかかりませんので、大幅なマイナス査定になることはありません。

もしノーマルのパーツがなくなってしまった場合には、ホーンのマークやシフトポジションを表示するためのシールを貼ることで車検に通すことができます。

違法改造車といっても、まさにピンからキリなのです。

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スモークフィルムも場所によってはNGです

クルマのウインドウにスモークフィルムを貼っている人も多いと思いますが、これも場所によっては違法改造となります。

基本的に後部座席の両側と後部のガラス面に関しては問題ありませんが、フロントガラスと運転席及び助手席のガラスに関しては、可視光線の透過率が70%以上なければならないという規定があります。

もともと、クルマのウインドウはノーマルの状態で可視光線の透過率が70%前半から80%となっているものが多いために、そこにスモークフィルムを貼ると、確実に70%以下の透過率となってしまいます。

運転席や助手席のウインドウにスモークフィルムを貼って、中に誰が乗っているのか外からは分からないような状態で走っているクルマをときどき見かけますが、これは明らかに違法改造ということになります。

もしそういった場所にスモークフィルムが貼ってあるクルマは、査定を受ける前に剥がしておいた方がいいでしょう。

もちろん、そのままの状態でも買取りはしてくれますが、店側でフィルムを剥がす手間賃の分がマイナス査定となってしまう可能性があります。

改造車専門の中古車販売店に持ち込みをしてみる

一般の買取専門店では、オークションでの相場が分からないことや、在庫になってしまうリスクがあるために、改造車の買取りには消極的であるという話を冒頭に書きました。

しかし、改造車専門の中古車販売店であれば、思った以上の高値で売却できる可能性があります。

なぜなら、改造車専門の中古車販売店を訪問するお客というのは、基本的に改造車を求めて来店するわけですから、一般の中古車販売店にくらべて改造車が売れ残ってしまう可能性は低くなるからです。

ただし、そういった改造車専門店であっても、明らかに悪趣味でセンスの悪いカスタムカーだと高くは売れない可能性があります。

どんな高価なパーツを使っていたとしても、センスが悪いと判断されたクルマは価値が低くなってしまいます。

改造車専門のお店では、どういったドレスアップが施されたクルマが売れやすいかということを熟知しています。

たとえあなたが最高にカッコイイ車だと思っていても、お店で厳しい査定額を提示されたら、客観的にセンスが悪いクルマということになります。

また、どんなクルマであっても、公道を走らせるためには車検を通す必要がありますので、車検のときにノーマルな状態に戻すことができない違法改造車は、たとえ改造車専門店であっても買取りが難しいこともあります。

ディーラーで改造車を下取りしてくれるか?

一般に、ディーラーでの改造車の下取りはかなり厳しいといわれています。

特に違法改造車で、簡単にノーマルに戻すことができないようなクルマだと、査定すらしてくれない可能性があります。

しかし、改造車であっても合法で、しかもそのメーカー系列のカスタムパーツで身を固めたクルマであれば、プラス査定となる可能性があります。

たとえば、トヨタであれば「モデリスタ」、ホンダであればHonda Accessが展開している「モデューロ」などです。

参考:トヨタ・モデリスタ公式サイト

メーカー純正のカスタムパーツは、メーカーが自社のクルマに取り付けることを前提で開発されており、デザイン的にも性能的にも洗練されているものが多くなっています。

ディーラーに行くと、そういった純正カスタムパーツのカタログが普通に置かれていたりします。

こうしたメーカー純正パーツでドレスアップされたくるまであれば、自己流でコーディネートされたカスタムカーにくらべてセンスもいいので、ディーラーとしても積極的に下取りをしてくれる可能性が高くなります。

まとめ

改造車というのは、基本的に買取り専門店でもディーラーでも高く買取りや下取りをしてくれるということはありません。

違法改造車で、ノーマルな状態に戻すことが困難なクルマであれば、査定そのものを拒否されてしまうこともあります。

しかし、改造車であっても、ノーマルパーツがそろっていて、容易にもとの状態に戻すことができるクルマであれば、多少査定でマイナスになることはあっても売却はできます。

また、改造車をより高く売却したいのであれば、改造車専門のショップに持ち込みをしてみると、意外な高値で売れることもあります。

メーカー純正のカスタムパーツによる改造車であれば、ディーラーで普通に下取りをしてくれますので、堂々と胸を張って持ち込みをしてみるといいでしょう。

いずれの方法で改造車を売却するにしても、いくつかの店舗で査定を受けてみて、一番高く評価をしてくれたところに売るのが基本です。

文:山沢 達也

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