パトカーがスピード違反で捕まることも実際にあります~オービスに捕捉されたマヌケな警察官たち

高速道路で並ぶ2台のパトカー公道を走るときには、速度制限というものがあり、それに違反をするとスピード違反で検挙されることになります。

これは一般車両だけではなく、パトカーや救急車、消防車といった緊急車両であっても同様です。

実際にパトカーや警察の公用車で走行中に、オービスに捕捉されてスピード違反で摘発されてしまったマヌケな警察官が過去に何人もいます。

オービスというのは、基本的にかなり悪質なスピード違反にしか反応しませんので、摘発された警察官は相当に悪質なスピード違反をしていたということになります。

一般のドライバーに交通ルールを守らせる立場の警察官が、悪質なスピード違反をするというのは、なんともケシカラヌ話ではありますが、なぜそういったことが起きてしまったのでしょうか?

ここでは、オービスに捕捉されてスピード違反で摘発されてしまった警察官の事例を、いくつか紹介してみたいと思います。

京都府警のパトカーが145km/h走行のスピード違反で御用

2014年2月に、京都府警のパトカーが高速道路上を145km/hで走行中に、オービスに捕捉されて、運転していた警察官が兵庫県警に検挙されるという珍事が起きました。

取締り地点の法定速度は80km/hでしたが、パトカーの緊急時最高速度は100km/hであるため、45km/hオーバーで御用ということになりました。

高速道路上で40km/h以上の速度オーバーをした場合には、違反点数が6点ということになりますので、運転していた警察官は免停ということになります。

スピード違反で摘発された警察官は、「被害の全体像が見えない中、一刻も早く通報者の元に到着しようとしてしまった」と弁明していたようです。

しかし、兵庫県警は「現場に早く到達しなければならない緊急性があるなら、他府県警と連携すればよいことで、速度超過の正当性はない」との判断から検挙にいたったようです。

通報者のもとに一刻も早く到着したいという警察官の気持ちは理解できますが、だからといって交通ルールを守らなくてもいいということにはなりません。

オービスに記録されていたスピードが145km/hということは、車内のメーター表示では156km/h~158km/hになっていた可能性があります。

なぜなら、クルマにはメーター誤差というものがあり、実際の速度はメーターの表示にくらべて8%~9%遅くなるように設計されているのが普通だからです。

一歩間違えば大事故につながりかねないような猛スピードで走行していたわけですから、検挙された警察官に同情の余地はありません。

175km/hの猛スピードで走行して検挙された23歳の女性巡査

パトカーで145km/h(メーター読みだと156km/h~158km/h)で走行して検挙された警察官には驚かされますが、さらにそれをはるかに上回る恐るべきスピード違反で検挙された23歳の女性巡査がいます。

新潟県警の発表では「公用車」となっていますので、パトカーだったかどうかまでは分かりませんが、警察で公務に使用されているクルマであることは間違いありません。

この公用車で、2018年7月4日に新潟県内の制限速度100km/hの高速道路を175km/hで走行していて、75km/hオーバーでオービスに捕捉されたというのですから驚きです。

オービスに記録されたスピードが175km/hということは、車内のメーターの表示は189km/h~191km/hになっていたと思われます。

新潟県警の警察官が、同県内にあるオービスの設置場所が頭に入っていなかったというのもなんともマヌケな話ですが、それよりも何よりもこのスピードは尋常ではありません。

検挙された23歳の女性巡査は、県警本部で開かれる研修会に参加予定でしたが、当日の朝に寝坊をしてしまい、なんとか集合時間に間に合わせようと猛スピードを出してしまったとのことです。

もちろん、どんな理由があるにせよ、こんな非常識なスピードで公道を走行していいはずがありません。

ましてや、一般のドライバーに交通ルールを指導する立場の警察官が、こんな危険極まりない猛スピードの違反行為をするなどというのは、言語道断といえます。

ちなみにこの23歳の女性巡査は、50km/h以上の速度違反ということになりますので、違反点数12点(90日間の免停)と10万円近い罰金が科せられたはずです。

参考:23歳女性巡査、寝坊で高速道を時速175キロで走行~産経新聞
    

懲役刑レベルの87km/hオーバーで摘発された警察官

75km/hオーバーなどというありえない速度違反をする警察官がいることに驚かされますが、実はさらにツワモノの警察官もいるのです。

和歌山県警の20代の男性巡査が、2019年5月9日に80km/h制限の阪和自動車道を167kmで走行して87km/hオーバーでオービスに捕捉されています。

こちらの警察官も、自分が勤務する和歌山県警が設置したオービスの場所を知らなかったことになりますので、かなりマヌケであることは間違いないのですが、それにしても87km/hオーバーはひどすぎです。

このケースはパトカーや公用車に乗務中の摘発ではなく、マイカーを運転していたときのものですが、たとえ非番であっても警察官という立場を考えると絶対に許される速度ではありません。

50km/hオーバー以上の悪質なスピード違反であっても、大抵は罰金刑で済むのですが、80km/hオーバー以上のスピード違反となると話は別です。

過去の裁判所の判例をみても、80km/hオーバー以上の速度違反だと懲役刑になることも少なくありません。

関連記事:スピード違反で捕まって懲役刑になることもある?
      

懲役刑であっても初犯であれば執行猶予付きとなる可能性もありますが、それでも罰金刑とくらべると刑の重みは雲泥の差です。

和歌山県警は、この巡査を減給1ヵ月の懲戒処分としたようですが、われわれ一般人の感覚からすると、ずいぶんと甘い処分のような印象を受けます。

公務員や民間企業に勤務する人であれば、懲役刑に相当する処罰を受けたときには懲戒免職になってもおかしくないからです。

和歌山県警の男性巡査に対する処分は、身内に甘い処分であると批判されても仕方のないところです。

そもそも緊急車両は何キロで走ることができるのでしょうか?

走行中のパトカー最初に事例としてとりあげた京都府警のパトカーは、法定速度が80km/hの高速道路上を145km/hで走っていました。

しかし、このパトカーは現場に向かう緊急車両という扱いになったために、緊急時最高速度の100km/hが適用され、45km/hオーバーとなったわけです。

もしこれが一般の車両であれば、65km/hオーバーということになり、違反点数も12点となるところでした。

それでは、緊急時最高速度というのは、どういったときに適用されるのでしょうか?

パトカーや消防車などの緊急車両であっても、緊急性がないときには、一般の車両と同じ法定速度が適用されることになります。

しかし、緊急性があって急いで現場に向かう必要がある場合には、一般道は80km/h、高速道路は100km/hで走行することが認められています。

参考:道路交通法第七節~緊急自動車等

ただし、緊急車両の要件として「サイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない」と道路交通法に定められています。

そのため、緊急性がない状態で、赤色灯やサイレンを作動させないで走行する場合には、一般の車両と同じ法定速度が適用されることになります。

ときどき、赤色灯だけを点灯させてサイレンを鳴らさずに走行しているパトカーや消防車を見かけることがあると思いますが、この場合は緊急車両とはみなされませんので、基本的には一般車両と同じ扱いになります。

スピード違反を取り締まるパトカーは違反にならないのか?

緊急車両の最高速度が、一般道で80km/h、高速道路で100km/hという話を聞いて、疑問をいだく方も少なくないでしょう。

速度違反のクルマを追いかけるときの、パトカーや白バイは何キロまで出せるのか、という素朴な疑問です。

もし、パトカーや白バイが、いかなる場合においても緊急車両の法定速度を超えてはならないということであれば、実際の速度取り締まりはできなくなってしまうはずです。

一般道を100km/hで走っているクルマや、高速道路を120km/hで走っているクルマを追いかける場合など、緊急車両の法定速度を守っていたら違反車両を取り逃がしてしまうことになります。

実は、例外的に速度違反を取り締まり中の緊急車両には、速度制限が設けられていないのです。

つまり、パトカーや白バイが速度違反の車両を追跡しているときには、何キロで走っても問題ないということになるわけです。

スピード違反の取り締まりのときにパトカーがサイレンを鳴らすタイミング

赤色灯をつけるパトカー緊急車両が法定速度を超えるスピードで走るためには、赤色灯を点灯させてなおかつサイレンを鳴らさなければならないという決まりがあります。

しかし、パトカーが速度違反のクルマを検挙する場合には、違反車両の後方をほぼ同じスピードで走って追尾をする必要があります。

サイレンなどを鳴らして走っていたのでは追尾していることがすぐにバレてしまい、違反車両を検挙することが難しくなってしまいます。

そのため、速度違反の車両を追尾中のパトカーや白バイに限っては、サイレンを鳴らさなくても法定速度を超えるスピードで走ることが認められています。

ただし、たとえ速度違反のクルマを追尾中であっても、赤色灯は点灯させなければならない決まりになっています。

赤色灯を点灯させた状態で追尾をして、検挙をする直前にサイレンを鳴らして違反車両を停止させるというのが、パトカーや白バイによるスピード違反取り締まりの流れになります。

よく覆面パトカーが赤色灯をつけずにスピード違反のクルマを追尾しているところを見かけますが、厳密にいうとその覆面パトカーは緊急車両には該当しないことになります。

つまり、覆面パトカーそのものがスピード違反をしていることになるわけです。

スピード違反をしている車が、同じくスピード違反をしている別のクルマを取り締まるという、なんともおかしなことが実際には起きているわけですね。

スポンサーリンク

赤色灯をつけない覆面パトカーに捕まっても違反は無効にならない

最近ではドライブレコーダーを取り付けた車が増えているため、そういった違法な取り締まりをしている覆面パトカーの映像などが、ネット上にたくさんアップされています。

ただし、覆面パトカーが違法な方法で追尾したことを理由に、スピード違反の取り締まりそのものを無効にすることはできません。

検挙された車が速度違反をしていたという事実に変わりがなければ、取り締まりそのものは有効になるとの判例が、1988年に最高裁判所によりだされています。

考えてみれば、これはあたり前の話です。

たとえば、非番の警察官が泥棒をマイカーで追いかけるときに速度違反をしたからといって、逮捕された泥棒の罪が免除されることがないのと同様の考え方です。

もちろん、警察官のマイカーがオービスなどに捕捉されていた場合には、緊急車両でもないのに法定速度を超えて走っていたという理由で、スピード違反で検挙される可能性はあります。

番外編~駐車違反で検挙されたパトカーもあります

パトカーがスピード違反で検挙されるというのは、本当に稀なことです。

しかし、パトカーが駐車違反をして違反切符を切られるというのは、ときどき起こるようです。

空き巣の現場に向かった神奈川県警のパトカーが、被害者宅のマンションで事情を聴いている間、近くの交差点に赤色灯つけずに30分以上駐車をしていたときに、近所の住民に通報をされて違反切符を切られた事例があります。

また、三重県警のパトカーが、一時停止の取り締まりをしていたときに、通りかかった男性によって津地検に通報されて、駐車違反の切符を切られたという事例もあります。

道路交通法では、交差点から5メートル以内のところには駐車することができないと定められているため、そういった場所にとめていたパトカーに対して駐車違反が適用になったようです。

緊急性がある場合には、例外的に駐車禁止区間での駐車が認められることがありますが、一時停止違反の取り締まりには緊急性はなく、交通違反にあたると判断されたようです。

駐車違反という立派な交通違反をしているパトカーが、自分の行為は棚に上げて他のクルマの交通違反を取り締まっていたわけですから、笑い話では済まされません。

文・山沢 達也

スポンサーリンク

タイトルとURLをコピーしました